ぶっちゃけ、これをぼったくりと言います。
一瞬、目を疑いました。
旬の俳優が、微笑みながら遠くを眺めています。
今朝の日経新聞の全面広告。
1ページ丸ごと贅沢に使い、読む人に訴えかけてきます。
「年金やお給料はこれから安心だとは言い切れないから、必要なのは、お金の相談相手」
「そばにいたら、どんなに心強いでしょう」
「どんな悩みも気軽に話せて、ベストな答えを見つけてくれる、かかりつけのお医者さんのような、お金の専門家・・・」
FP協会がこんな広告を出していたかな、と不思議に思いながらよくよく見てみると、なんやそういうことか~と納得できました。
見た目は中立的なファイナンシャルプランナーの宣伝かと思いきや、広告主は、実は保険の販売代理店をやっている企業でした。
新聞1ページ丸ごと使って広告を出そうと思えば、1千万円単位の多額の費用がかかるはずです。
僕のように、金融商品を売らずに相談料だけでFP業務を行っていたら、まずこんなことは不可能です。
では保険代理店ならどうしてこんなにも贅沢に広告費用を使えるのでしょうか。
それは、保険加入者が支払う割高な保険料が、原資となっているからにほかなりません。
たまに、僕のところに保険会社の方が来られて、「保険代理店になりませんか」とお誘いを受けます。
そして僕は必ず、お断りしています。
なぜなら、決してお客様の利益にならないから。
保険を売ると、代理店はどれほど儲かるかご存じですか?
商品によってまちまちではありますが、初年度は保険加入者が支払う保険料の、50%程度です(2年目以降は通常下がります)。
ちなみに、生命保険文化センターが実施した「生命保険に関する全国実態調査」(二人以上の世帯調査)によると、1世帯あたりの年間払込保険料は、平均38.2万円(平成30年度)となっています。
もし僕がこの金額の保険を売ると、1年間に19万円ほど受け取れるということですね。
ぶっちゃけ、これをぼったくりといいます。
僕のような、金融商品を売らないFPにご相談いただければ、所定のご相談料はかかりますが、長い目でみれば圧倒的にお得です。
少なくとも、こんな割高な保険はおすすめしません。
西宮ガーデンズやららぽーと甲子園などのショッピングモールには必ず保険ショップが店を構えていますが、小さな子どもさんを抱っこした若いご夫婦がカウンターに座られているのを見るたびに、どうか無駄な保険料を支払うことがありませんように、と願わずにはいられません。