多くのFPさんは、コストの安いインデックスファンドを勧めているようですが、そこに潜む大きな問題点を語ります。
ついにここまできてしまったか・・・というのが率直な感想です。
残念です。
あきれました。
あほらしくなりました。
今日の日経新聞によると、野村證券が、つみたてNISA向けの商品として信託報酬0%の投資信託を設定するとのこと。
2020年3月から2030年12月末までの10年間が0%で、2031年以降は0.11%以内で設定し直すという条件付きではありますが、0%というのは国内で初めてだそうです。
信託報酬とは、投資信託を保有することでかかるコストのこと。
例えば年率1%なら、100万円の残高があるとすると、年間1万円の手数料を販売会社などに支払うことになります。
販売側の思惑としては、10年間は全く儲からなくても、タダで集客し、10年間のうちに資産をたくさん集めておけば、11年目以降はそれなりに儲かるだろうという戦略ですね。
国内最大手の証券会社で体力があり、失敗してもそんなに痛くはないから、値下げ競争の消耗戦を仕掛けることができるのでしょう。
近年、市場平均並みのリターンを目指せる「インデックスファンド」を購入する生活者がじわじわ増えているようです。
2018年ごろから、iDeCo(イデコ)やつみたてNISAなどの一般生活者の資産形成を後押しする制度が充実化していくのと並行して、FPの誰もがこぞってインデックスばかりを勧めているように感じます。
(もしくは、高コストのファンドを販売して手数料をがっぽり稼ぐ、金融商品を仲介するFPか)
インデックスファンドでは、市場の平均に連動するよう機械的に運用されるのに対し、アクティブファンドでは、ファンドマネジャーが手間暇かけて丹念にリサーチし、市場平均を超える成績を目指して運用されます。
一般に、良いアクティブファンドを選ぶのは難しく、多くのアクティブファンドの平均がインデックスファンドに似たものになり、インデックスファンドのほうがコストが安いぶんだけパフォーマンスの向上が期待できるという各種統計データから、多くのFPの方々も含めてインデックス信者が増えている印象です。
確かにコストが安く、一見合理的な考え方なのかもしれません。
しかし、僕はインデックスを決してすべて否定するわけではありませんが、大きな大きな問題があると思うのです。
その理由は、インデックスファンドだと、良い企業もおかしな企業もすべて買ってしまうことになるから。
ブラック企業も含まれているかもしれませんし、武器・兵器を製造する企業が含まれるかもしれません。
もちろん、何をもって「良い企業」と考えるかは人それぞれですし、ブラック企業や武器製造企業が必要だと考える方もいるでしょう。
でも、いずれにせよ、そもそも投資とは、自分の思い・感情を思いっきり込めるもの。
子どもや孫たちの世代に残したい明るい世の中をイメージし、そこに欠かすことのできない企業に投資したいと思うのです。
誰しも日常生活の中で、こんなものを買いたい、サービスを使いたい、と思える商品を提供する企業もあれば、二度と買いたくない、使いたくない、という企業もあるでしょう。
株を購入する、または購入しないという一人ひとりの意思表示によって、もっと世の中をよくすることができるはずです。
もし市場参加者全員がインデックスを買ってしまったら、株価は動きません。
良い企業がさらに発展することも、おかしな企業が淘汰されることも、なくなるのです。
コストももちろん大事ですが、それが第一になってしまうと、本来は企業の価値を追うべきところが、価格だけを追ってしまうことになります。
それは、投資ではなく、ギャンブルといえるかもしれません。
仮に投資だとしても、無機質極まりないものになってしまいそうです。
近年、インデックスファンドは、コスト競争になり果てています。
そこには本来投資で必要であるべき、子どもや孫の世代に残したい、どんな世の中を望むのかという視点は全くありません。
投資に熱い想いがなければ、いつか必ず起こる大暴落に見舞われたときに、インデックスファンドは逃げ足が速いかもしれませんよ。
少しでも儲けてやろう、とコストばかりを気にして無自覚にインデックスファンドを選んでしまうのではなく、感情を思いっきり込めて自分が納得できるファンドを選び、コツコツ長く続ければ、結果として儲かってしまうのです。
こんな視点が大事だと思うのは、僕だけでしょうか。