なぜ外貨建て生命保険に手を出してはいけないのか
参加無料の、とある「マネーセミナー」のチラシをみました。
そのタイトルは、「アメリカ長期金利上昇!ファイナンシャルプランナーが教える外貨建て生命保険活用法」とのこと。
はっきり言います。
外貨建て生命保険、絶対に入ってはいけません。
なぜか。
理由はシンプル。
ギャンブルだからです。
仕組みについて詳しい説明は省きますが、外貨、例えばドルに対して円安になればなるほど(例えば1ドル100円が120円になると、円安ドル高です)、この保険に入っておくと有利なわけです。
アメリカの金利が上がると、多くの人が少しでも高金利通貨に預けて運用しようと円を売ってドルを買い、結果として円安ドル高になると予想するのであれば、確かに外貨建て保険は有利なようにも思えます。
また、日本の財政は、借金の増加に歯止めがかからない状態で、そんな国の通貨の価値は下がっていく一方なのかもしれません。
いずれにせよこのような理由をつけて、このFPさんは外貨建て保険をすすめようとしているわけです。
ところが、為替というのはそもそもそんな単純に決まるものではありません。
たとえいくら円の価値が下がろうとも、外貨、例えばドルが何かの都合で円以上に価値が下がれば、相対的には円が高くなります。
そして今や世界中がつながっている時代です。
この先為替がどうなるかは、そもそも誰にもわからないもの。
為替はあくまでも、単に通貨の交換レートを表しているに過ぎないのです。
結局、コイン投げの裏表を当てるゲームと同じ。
いくらアメリカの金利が上昇しようが、それを理由に円安にかけて外貨建て保険に加入するなんて、まさにギャンブルそのもの。
同じ保障内容に対して、保険料が円建てに比べて外貨建ての方が一見格安に見えるかもしれませんが、そこに大きな落とし穴が隠れているかもしれないと認識しておくことは不可欠でしょう。
うまい話は絶対にありません。
ではなぜこんな保険をFPがすすめるのか。
手数料をがっぽり稼げるからにほかなりません。
(手数料なんて払ってないよ、と言われるかもしれませんが、保険料の中にこっそり入っているわけです)
保険の相談は、どうか保険を販売しないFPに依頼してください。
よく、保険ショップの入り口や、銀行のロビーなどに、「人気商品ベスト3」とか銘打ってカタログが並べられていますが、必ずといっていいほど外貨建て保険が入っています。
「金融機関が売りたい商品ベスト3」「売れると手数料を稼げる商品ベスト3」と読み替えてみましょう。
「買ってはいけない商品ベスト3」だと思えるようになれば、ひとつおカネの知識が向上したと思っていただいて間違いありません。