そもそも、「投資」とは何か
運営する介護施設で働く女性2人に、「投資」について思いつくイメージを聞いてみました。
いずれも20代・独身で、毎日一所懸命仕事をしてくれています。
2人によると・・・
「大儲けすることもあれば、大損することもある、怖いもの」
「パソコンの前に一日中張り付いてカチャカチャやっている感じ」
と、こんな考えをもっているようです。
残念ながら、これは僕が考える「投資」とは似ても似つかないもの。
じゃあ何かというと、投資ではなくて、「投機」です。
言い換えれば、「ギャンブル」。
単に価格の差をとって儲けようとする行為のことで、「ゼロサムゲーム」なのです。
つまり、全体を合計するとゼロになる、「誰かの儲けは誰かの損」ということですね。
競馬、パチンコ、宝くじなどに限らず、株式などの短期売買、仮想通貨、金などの商品、FXなどの為替取引・・・これらはすべて、ギャンブルです。
一方で、投資とは、お金を実体経済の中に働きに出す行為のこと、と定義づけられるでしょう。
例えば株式について考えてみます。
経済活動は、世の中が必要とする製品・サービスを提供する行為(=事業)によって担われますが、事業に資金が投じられてから(=投資)、生み出された製品・サービスが世の中を豊かにするまでには、基本的にはとても長い時間がかかります。
事業が成長してその会社の価値が高まった分から、資金を出した人へのお礼として戻ってくるのが、投資の「リターン」。
日々の株価は、短期的には規則性なく上がったり下がったり(、時には暴騰したり暴落したり)しますが、長い目で見れば、その会社の価値に等しい価格に収まっていくものです。
長期の株式投資は、「プラスサムゲーム」。
つまり、参加者全体を合計すると、プラスになるのです。
なぜなら、一人ひとりの「少しでも豊かになりたい」という欲望によって市場全体が拡大していくから。
例えば、この国に住む多くの人たちは、だいたい毎日お風呂に入るのが当たり前かもしれませんが、例えばどこかの国で、入浴の習慣のなかった人々が、週に1回お風呂に入ることができるようになったらどうなるか。
シャンプーを使うことが当たり前になったらどうなるか。
おそらく、元には戻れないのではないでしょうか。
水道もガスもシャンプーも、提供しているのは企業です。
しかも、世界の人口は現在およそ74億人。
2050年には90億人を超えると言われています。
一度手に入れた生活水準はそう簡単には手放せないので、いったん拡大した市場は、めったなことでは縮小しないと考えてよいのではないでしょうか。
ちなみに、よく長期投資が大事だと言われますが、「長期」とは、○○年という具合的な期間のことではなく、本来の意味での投資をすれば、そもそも自然と長期になるものなのです。
だから、パソコンに1日中張り付いているものでもないし、大儲け・大損うんぬんでもなく、投資をすることで、みんなが豊かになっていくものなのです。
投資とは、明るい未来、より良い未来をつくるもの。
そう考えれば、株価なんて必ず上がったり下がったりするものですが、いちいち一喜一憂することもなく、夜も安心して眠れるのです。
投機ではなく、投資をしましょう。
価格を気にするのではなく、価値を追いましょう。
そして投資を継続することこそが、経済的自立(ファイナンシャル・インディペンデンス)を実現するための肝なのです。