保険を解約するときの、意外に高いハードル

保険の見直しを行い、今の保険が過剰であることがわかり、解約を決断するとします。

ところが、いざ解約しようとすると、「本当に解約していいのだろうか」と最後の最後にまた葛藤が生じることは、よくあるようです。

僕自身も、まさにそうでした。

20代のまだ何もわからなかったころ、今思えば恥ずかしい話ですが、担当者に勧められるがままに納得したつもりになって契約したある保険。

自分で勉強を重ねて、この保険は不要だとの結論に至るものの、なかなか解約を実行できません。

だいたい、保険会社のホームページを見ても、解約についての案内はどこに載っているのかわからないほど、探すのが難しいという物理的なハードルが、まずあります(本当に不親切だと思います)。

そして、やっとの思いで見つけても、そこでまた葛藤が生じます。

「解約したときに限って、病気になったり、何か起こるもんだよな~」とか、いろいろ考えてしまうんですよね。

このような精神的なハードルこそが、それなりに高いのです。

しかも、保険会社からは、解約にあたっての確認事項がこれでもかこれでもかと出てきて、解約を何度も踏みとどまらせようとしてきます。

では、この精神的なハードルを、どう克服するか。

これはもう、思い切って解約するしかありません。

当たり前ですが、保険に入っていてもいなくても、病気などになる確率は変わらないのですから。

また、誰も教えてくれませんが、実は、病気になったり、働けなくなったりする確率よりも、そこそこ元気で長生きする可能性の方が、実は圧倒的に高いのです。

だから、保険会社に自分の大切なお金を必要以上に預けてしまうようなもったいないことをするのではなくて、保険料を支払うつもりで自分の口座に毎月積み立てていくほうが、合理的です。

保険会社に支払ってしまうと、そのお金が活かされるのは、病気などその保険の対象となる状況になったときに限られますが、自分の口座にあるのなら、使い道は自由です。

保険は、リスクに備えるための、あくまでも手段の一つに過ぎないということを、心に留めておくべきです。

思い切って解約してしまうと、案外平気でいられるものですし、むしろ自分の口座にお金が少しずつ貯まっていくのを実感できるので、実は安心できるのです。